エジプト 世界遺産 テーベ



古代都市テーベとその墓地遺跡

古代エジプト王朝の新王国時代にテーベと呼ばれ、首都として栄えたルクソール。この町はナイル川中流域に位置し、川を挟んで東岸と西岸に分かれています。太陽神が崇拝されていた古代エジプトでは、太陽は生と死、そして再生復活の象徴と考えられ、太陽が昇る東岸は「生者の町」、太陽が沈む西岸は「死者の町」とされ、東岸には神々を祀る神殿、西岸には墳墓が造られました。1979年に世界遺産に登録された「古代都市テーベとその墓地遺跡」です。
東岸のカルナック神殿は、アメン神と太陽神ラーが結合した最高神、アメン・ラーを祭るアメン大神殿を中心とするエジプト最大規模の神殿群。134本の円柱が林立する大列柱室、トトメス1世とその娘のハトシェプスト女王の巨大なオベリスクが圧倒します。ルクソール神殿はカルナック神殿の副神殿として建立され、当初はスフィンクスが並ぶ約3kmの参道でカルナック神殿と結ばれていました。
西岸の王家の谷には、トトメス1世が墓を築いて以来、歴代の王が再生と復活を願い墳墓を造営しました。ほとんどが盗掘に遭い当時の副葬品の豪華さは想像もつきませんが、ツタンカーメン王の墓から出土した「黄金のマスク」にその一端を窺うことができます。また、古代エジプト初の女王として強大な権力を誇ったハトシェプスト女王の巨大な葬祭殿などがあります。墳墓や遺跡に残された"生"と"死"の物語。古代エジプト人の豊かな死生観が創りだした歴代王の栄光は、今もその輝きを失うことはありません。

東岸(ルクソール神殿カルナック神殿
西岸(王家の谷ハトシェプスト女王葬祭殿ネフェルタリ王妃の墓メムノンの巨像


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