ポルトガル ポルト



ドウロ川の河口に位置し、ポートワインの積出港として知られるポルトは、リスボンに次ぐポルトガル第二の都市で商工業の中心地。ローマ時代にはポルトゥス・カレ(カレの港)と呼ばれ貿易で栄え、ポルトガルの国名の由来にもなりました。15世紀にはポルトに生まれたエンリケ航海王子の海外進出の拠点となり、さらなる発展を遂げます。
旧市街の中心にあるサン・ベント駅構内には、2万枚ものアズレージョ(青い装飾タイル)でポルトガルの歴史が描かれていますが、ひときわ目立つのはエンリケ航海王子の遠征の場面。これが1415年、大航海時代の幕開けとして語り継がれるアフリカ北岸のセウタ攻略です。この戦いで武勲をたて騎士に叙任されたエンリケは、航海者たちを指導・援助し、アフリカ西岸航路の開拓に力を注いでいきます。
アズレージョがゴシック様式の回廊を飾る、要塞然としたカテドラルは各時代の様式で増改築が重ねられ、かつて証券取引所だったボルサ宮は、アルハンブラ宮殿にならって作られた、壁から天井までアラベスクのタイルが覆い尽くす「アラブの間」が圧巻。そして、金泥を塗った内陣の彫刻群がまばゆい輝きを放つサン・フランシスコ教会。これらの世界遺産に登録された歴史地区の建築群は、エンリケが道を開き、大航海の成功がもたらした莫大な富のあかし。生涯妻をめとらず、ポルトガルの発展に尽力したエンリケ。今もボルサ宮前のエンリケ航海王子広場で、アフリカを指さしたたずんでいます。

(写真左下)ドン・ルイス1世橋(Ponte Dom Luís I)
2016年からは「ポルト歴史地区、ルイス1世橋およびセラ・ド・ピラール修道院」として、登録名にも明記された。
ポルトの中心部とヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区を結んでいる。ギュスターヴ・エッフェルの弟子の一人、テオフィロ・セイリグが設計し、1881年から1886年の間に建設された。エッフェルはポルトにある別の橋、マリア・ピア橋の建設に携わっていた。1886年10月31日、ポルトガル王ルイス1世が出席して開通式を迎えた。
ドン・ルイス1世橋は幅8mの2階建て構造になっている。上層の長さは395mで、下層の長さは174mである。現在上層は歩行者とメトロ用に、下層は自動車と歩行者用になっている


(写真右下)
レロ書店(Livraria Lello)
1869年に創業し、1906年以来、現在の場所で営業を行っている。世界で最も美しい書店のひとつに数えられている。イギリスの新聞ガーディアン紙が発表した〈世界の素晴らしい書店〉で第3位に選ばれている。旅行ガイドブック、ロンリープラネットが発表した〈世界で最も素晴らしい本屋ランキング〉で第3位に選ばれている。イギリスの作家J・K・ローリングによる児童文学『ハリー・ポッターシリーズ』に大きなインスピレーションをもたらしたことでも知られており、人気の観光スポットとなっている。

クレリゴス教会
ポルト大聖堂
サン・フランシスコ教会
サン・ペント駅


   

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