サン・フランシスコ教会は、1383年にゴシック様式で建てられ、その後、17~18世紀にバロック様式に増改築されました。外観は、質素な造りになっていますが、内部に入ると装いは一変します。
内部は、祭壇だけでなく、天井、壁、柱に至るまで贅を尽くした「ターリャ・ドウラーダ」という金泥細工が施されており、天使や鳥、つる草などの彫刻で覆われています。金は、当時、植民地だったブラジルから運ばれたもので、この過剰ともいえる装飾は、18世紀にポートワインの輸出で繁栄したポルトの富が生み出したものと言えます。
日本人として、ぜひ見ておきたいものが祭壇画です。祭壇画には、長崎やモロッコにおける殉教の場面などが描かれており、布教に訪れた異国の地で起こった出来事です。また、サン・フランシスコ教会には、バロック装飾の極致といわれるキリストの家系図「ジェッセの樹」があり、こちらも見どころのひとつです。(かつては内部撮影禁止だったようですが、入場料+パンフレット合計10ユーロで撮影可に)
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