世界遺産「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」
フランソワ1世の時代に王家の居城となったアンボワーズ城には、王の招きでイタリアのルネサンス期を代表する芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチが滞在。
フランソワ1世がダ・ヴィンチの発想を取り入れ、狩猟のために造らせたのがロワール最大の城、シャンボール城でした。
ロワール河の支流シェール川に優美な姿を浮かべるシュノンソー城は、アンリ2世が愛妾に与え、その後、女性が城主として何代も君臨した謂れを持っています。
また、シノン城は百年戦争最中の1492年、シャルル7世がジャンヌ・ダルクと会見した歴史の舞台です。
歴代の王が居城とし、ジャンヌ・ダルクゆかりの城でもあるブロワ城は、ゴシック、ルネサンス、バロックなど各時代の建築様式が混在し、さながらフランスの城館の建築史を見るようです。
ルイ14世の頃から政治・文化の中心はヴェルサイユ宮殿へと移りますが、ロワールの城館群は今も華やかなりし時代の姿を留めています。
<主な古城>
●ナントのブルターニュ大公城 CHÂTEAU DES DUCS DE BRETAGNE À NANTES
ナント旧市街の中心部に鎮座する威厳ある巨大な城。ナントとブルターニュ地方の波乱万丈な歴史を物語っています。
●アンジェ城 CHÂTEAU D’ANGERS
メーヌ川を見下ろすように聳えるアンジェ城は、14〜15世紀にかけアンジュー家が居城とした所で華やかな宮廷文化が開花しました。城内には中世文化を伝える「ヨハネの黙示録のタピスリー」が残っています。
●ソミュールのカードル・ノワール CADRE NOIR DE SAUMUR
ソミュールのカードル・ノワールを中心に1972年に設立され、馬術の幹部エリートを育成する国立馬術学校。馬の調教、障害飛越など調教師による解説付で披露し、カードル・ノワールのメンバーが出演するガラ公演を行っています。
●ソミュール城 CHÂTEAU DE SAUMUR
ロワールを見下ろす高台に堂々と聳えるソミュール城は、11世紀末に築かれて以来、要塞、別荘、地方総督公邸、監獄、武器弾薬庫と、次々とその用途を変えてきた城館です。1912年から市立博物館が入っています。
●フォントヴロー修道院 ABBAYE DE FONTEVRAUD
12世紀に建てられたフォントヴロー修道院にはプランタジネット朝の墓所があり、アリエノール・ダキテーヌ、夫の英国王ヘンリー2世と、彼らの息子のリチャード獅子心王の墓を見学しに、毎年20万人のビジターが訪れる場所となっています。
●王家の要塞シノン城 FORTERESSE ROYALE DE CHINON
5年に渡る大々的な修復工事を終えたシノン城はかつての軍事的な繁栄と統一ある姿を取り戻しました。城館内部では、芝居仕立ての見学コースや、特殊な演出効果で、中世の城塞都市に生きた市民や兵士の生活をビジターが身近に感じられるよう時空の旅に誘っています。
●ランジェ城 CHÂTEAU DE LANGEAIS
ランジェ城はフルク・ネラの塔と、シャルル8世と女公爵アンヌ・ド・ブルターニュが結婚した場所としても知られるルイ11世の城というめずらしい二つの城からなります。
●アゼ・ル・リドー城 CHÂTEAU D’AZAY-LE-RIDEAU
12世紀初頭に建てられた城は100年戦争の際に焼かれたため、1518年からわずか5年間で、フランスの建築術と建築様式と、厳しく秩序だったイタリアの装飾を融合させて建て直されました。
●ヴィランドリー城と庭園 CHÂTEAU ET JARDINS DE VILLANDRY
ロワール川沿いに建てられたルネッサンス様式最後の城。4段に分かれた全6つの庭園が城を囲んでおり、その調和のとれた美しさで知られています。
●王家の町ロシュ CITÉ ROYALE DE LOCHES
フランスで最も美しい要塞都市の一つ。現在でも保存状態の良いことで知られる高さ36mの主塔が有名で、11世紀最大の主塔の一つとなっています。2005年より城館、塔など城全体で大々的な修復工事が行われています。
●クロ・リュセ城、レオナルド・ダ・ヴィンチ・パーク CHÂTEAU DU CLOS LUCÉ - PARC LEONARDO DA VINCI (今回訪問)
レオナルド・ダ・ヴィンチが1519年に亡くなるまで、晩年の3年間を過ごした城館。今日では、ダヴィンチの天才技師としての顔を紹介する模型や3D映像をインタラクティブに楽しめるテーマパークとなっています。
●アンボワーズ城 CHÂTEAU ROYAL D’AMBOISE (今回訪問)
アンボワーズはフランス・ルネサンス文化が花開いた町として知られ、白亜のアンボワーズ城はロワールの水面に優雅な姿を映しながら、高台に佇んでいます。
●シュノンソー城 (今回訪問)
18世紀、文人や哲学家が多く招待され文化活動が盛んに行われたシュノンソー城では、今日も「知識人の城」として、文化的イベントが奨励されています。
●ショーモン・シュル・ロワール城 DOMAINE DE CHAUMONT-SUR-LOIRE
カトリーヌ・ド・メディシス、ディアーヌ・ド・ポワティエが城主を務めた曰くつきの城。19世紀に整備された美しい庭を会場に、1992年より有名な国際庭園フェスティバルが開催されています。
●ブロワ城 CHÂTEAU ROYAL DE BLOIS
7人のフランス王と9人の王妃が住み、王家にとって重要な城だったブロワ城。城内の王の寝室はルネッサンス期、王家がいかなる権力を持ち、優雅な日常生活を送っていたかを物語るものです。
●シュヴェルニー城
ロワールの古城の中でも、特に室内装飾や家具調度品の保存状態が良いことで知られる城館。バンド・デシネ「タンタン」で知られる作者エルジェはシュヴェルニー城をモデルにムーランサール城を描きました。
●シャンボール城 (今回訪問)
フランス・ルネッサンス建築の傑作であり、歴代の王が好んで狩猟をした場所。5540ヘクタールの広大な森林は保護されており、その自然を背景に、ロワール流域でも最大級の美しい白い城館が佇む姿は圧巻です。
●ヴァランセ城 CHÂTEAU DE VALENÇAY
1803年、ナポレオンに勧められて、彼の有名な外務大臣タレイランはヴァランセ城を購入し、外国の要人を迎える場としました。それから四半世紀の間、ヴァランセ城は重要な外交の舞台となりました。城は、ルネッサンス様式と古典様式の二つのスタイルを持つ建物で、ナポレオン1世様式の素晴らしい家具調度品が置かれています。
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