メンフィスとその墓地遺跡-ギーザからダハシュールまでのピラミッド地帯
エジプトを代表するピラミッドは、「メンフィスとその墓地遺跡ギーザからダハシュールまでのピラミッド地帯」として、1979年に世界遺産登録されました。エジプト古王国時代の首都であったメンフィスには、ギザの3大ピラミッドをはじめ、80余りのピラミッドが残されています。ピラミッドの建設は、農閑期にエジプト王朝が行った公共事業であったと考えられています。
「ギザの3大ピラミッド」と称されるのが、「クフ王」「カフラー王」そして「メンカウラー王」のピラミッドの3基で、いずれも紀元前2500年頃に造られたものです。特に大きい建築物は、高さ138.8mとそびえ立つクフ王のピラミッド。建設当初は高さ146mほどあったともいわれていますが、現在は、もともと表面を覆っていた化粧石などが削れて10mほど低くなっています。カフラー王のピラミッド前の半人半獣のスフィンクス像があることでも著名です。
現存する多くのピラミッドが、四角錐で真正ピラミッドと呼ばれる形をしていますが、中には真正とは違った変わった形のピラミッドもあります。「ジェゼル王の階段ピラミッド」はピラミッドの中でも最古であり、斜面は平らではなく階段状、マスタバと呼ばれる長方形の墓が設けられています。初期に造られたピラミッドはこの階段状のものが多く、後の真正ピラミッドを造る技術の先駆けとなったとされています。
ダハシュールにはクフ王の父であり、エジプト古王国第4王朝の初代ファラオ(国王)である、スネフェル王のピラミッドが2件あります。「スネフェル王の赤いピラミッド」は、表面に出ている花崗岩が赤く見えることから名づけられました。元々は化粧石が表面を覆っていましたが、その化粧石が持ち去られてしまい、隠れていた花崗岩が見えるようになっています。「スネフェル王の屈折ピラミッド」は上半分と下半分の傾斜が異なっていることから名づけられています。
ギザの3大ピラミッド
スフィンクス
太陽の船
メンフィス・サカ・ダハシュール
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