イスラエル 世界遺産:エルサレム旧市街



エルサレムの旧市街は、3つの宗教(ユダヤ教、イスラム教、キリスト教)の聖地となっています。聖地の獲得を目的とした民族・宗教間の抗争の原因となることが多く、隣国のヨルダンが遺産の保護のため世界遺産の申請を行いました。異例ではありますが、国として登録はされていない「エルサレム」が主体となって世界遺産に登録されており、世界遺産への登録とともに危機遺産にも登録されています。市街はユダヤ教徒地区、キリスト教徒地区、ムスリム地区、アルメニア人地区の4つに分かれています。
「嘆きの壁」は、紀元前965年にヘブライ王国のソロモン王が建てた神殿の城壁の一部であり、モーセの十戒が刻まれた石板を収めた契約の箱が納められていました。紀元前70年になると、ローマ軍の侵攻により神殿が破壊され、ユダヤ教の祖国が崩壊します。ユダヤ教徒は出入りが禁止され各地へ離散(ディアスポラ)することとなりましたが、かつでの神殿の城壁(※現在の嘆きの壁)で祖国に対する祈りを捧げるようになりました。
「岩のドーム」は、イスラム教の預言者ムハンマドが大天使ガブリエルの啓示を受け、天界に旅立った場所であり、イスラム教のはじまりの地です。予言の岩を聖地として守るため、7世紀に岩を覆う大型のドームが建設されました。
「聖墳墓記念聖堂」は、イエス・キリストが処刑され、復活したとされた「ゴルゴダの丘」を特定の上、11世紀にイエス・キリストの墓として建てられました。「ヴィア・ドロローサ(苦難の道)」と呼ばれる、イエス・キリストが十字架を背負って歩んだ道と併せて聖地となり、キリスト教の巡礼者が多く訪れます。

神殿の丘
岩のドーム
嘆きの壁
ビア・ドロローサ
聖墳墓教会




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