リスボンの東約110km、スペインとの国境近くに約6kmの二重の城壁に囲まれて佇むエヴォラは、ローマ帝国の要塞都市として建設され、8世紀からはイスラム教徒の支配下で商業都市として発展。12世紀にはキリスト教徒が奪い返し、ポルトガル・ルネサンスの中心地として繁栄を極めました。2000年の歴史が凝縮した城壁内には、各時代の建築様式が混在し「博物館都市」と呼ばれています。
旧市街の丘上にそびえ立つ大聖堂は、エヴォラを奪還したキリスト教徒の手により1204年に完成。建築様式の移行期に建てられたため、外観はロマネスク、内装はゴシックと好対照を見せています。16世紀に据えられたヨーロッパで3番目に古いパイプオルガンは、はるばる日本から訪れた天正遣欧少年使節の伊東マンショらも弾いたといわれ、数百年の時を隔てた巡り合いは不思議な思いに駆られます。
2~3世紀に建てられたローマ時代のディアナ神殿で遙かなる時をさかのぼり、約5000体もの人骨に埋めつくされたサン・フランシスコ教会の人骨堂で、中世の修道士たちの神秘の世界を垣間見たら、旧市街の中心ジラルド広場から大聖堂へと延びるメインストリート「10月5日通り」の白い家並みをぶらり散策。レストランやカフェ、みやげもの屋が軒を連ねる石畳の路地は、中世さながら。
サン・フランススコ教会
ディアナ神殿
カテドラル
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