カルタジローネ(Caltagirone) カターニャ県(CT)
カルタジローネは、カターニアの南西約70キロ、カターニア平野の外れの標高約600mの山の上にあります。(人口約38,000人)
陶器の産地として、非常に有名な町で、先史時代から陶器作りが行なわれていました。ギリシャ時代に陶器の生産が盛んになり、9世紀のアラブ時代に入ると、アラブ人によりマジョルカ焼きの技術が導入されました。イタリアにおけるマジョルカ焼きの技術は、カルタジローネからイタリア各地へと伝わったそうです。カルタジローネでは、陶器作りの技術が父から子へと代々受け継がれ、現在でも陶器作りが盛んです。
そのため、町には工房を兼ねた陶器屋がたくさんあります。職人が絵付けしているその場で、陶器が買えるのは、カルタジローネならではの楽しみ!シチリアの陶器屋で見かける陶器の多くが、実はカルタジローネ産で、最も価値が高いとされています。
なお、現在のカルタジローネ産の陶器には、オレンジ色を使ったものもありますが、伝統的な色使いは、青、緑、黄色の3色です。
2002年にヴァァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町の一つとして世界遺産になってから、イタリア国内からのみならず、外国からも観光客が訪れるようになり、特に7月24日と25日と8月14日と15日の計4日に行なわれるサンタ・マリア・デル・モンテ大階段のイルミネーションの時は、町は溢れんばかりの人々で賑わいます。
写真上:テスタ・ディ・モーロ(Testa di Moro)女性と男性の頭の形をした置き物。
時はシチリアがアラブ人に支配されていた時代、州都パレルモにて、あるアラブ人男性がシチリア人の美しい娘に恋をしてしまいます。娘もその熱い想いに応え、2人は共に過ごすようになります。しかし、なんとこのアラブ人男性には祖国に妻子がいたのでした。裏切られたという怒りと悲しみ、そして未だ消え去らぬ愛のために、娘はこの男性が眠っている間に首を切り落としてしまうのです。
彼とずっと一緒にいられるようにと、娘は自分のバルコニーに男性の頭を置き、バジルを植えます。そのバジルがあまりに立派に育つため、近所で評判を呼び、皆がこぞって同じようなアラブ人男性の頭の形をした鉢を陶器で作らせるようになります。これがテスタ・ディ・モーロの始まりと言われています。
サンタ・マリア・デルモンテの大階段
サンタ・マリア・デルモンテ教会
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