リガ



【世界遺産】リガ歴史地区(Rīga) 城郭都市リガ=100名城

ラトビアの首都リガはバルト三国最大の都市。バルト海に注ぐダウガヴァ川河口から約10kmほど遡った天然の良港で、13世紀にハンザ同盟に加盟して急速に発展。同時代の町並みが残る旧市街がダウガヴァ川東岸に広がり、その美しさは「バルト海の真珠」と称されるほど。1997年にはリガ歴史地区として世界遺産に登録されました。
町の基礎は13世紀初めにドイツ人によって築かれました。1282年には北ドイツの都市同盟であるハンザ同盟に加わり、ロシアとヨーロッパを結ぶ貿易拠点として繁栄。ドイツ商人の影響を色濃く受けた中世の商業都市の景観が戦火を免れて残り、ドイツよりドイツらしいと形容されたりします。中心にあるリガ大聖堂は1211年の創建ですが、18世紀まで増改築が繰り返され、ロマネスク、ゴシック、バロックなど建築様式の見本市のような建物。ドイツ商人の集まりに使われたブラックヘッドハウス、15~17世紀に建てられた三兄弟の家と呼ばれる中世ドイツ風の3棟の民家など、随所にハンザ同盟時代の栄華や人々の暮らしぶりを窺い知ることができます。

◇三人兄弟(○)=ラトビア建築博物館(Latvian Museum of Architecture (Three Brothers))
三人兄弟の家は、三連を成すリガの典型的な建物です。外観は建築当時の姿をほぼ留めており、3つともそれぞれの時代を表す特徴的な建物です。向かって右端の建物は、15世紀に建築されたリガ最古の石像住宅で、階段式の切妻屋根とゴシックの壁龕で装飾されています。この住宅が建築された時代は、リガの土地問題が深刻ではなかったため、玄関を石のベンチで飾っていたりします。中央は、淡い黄色の外壁が印象的な建物です。17世紀に建築され、正面はオランダのマニエリスム様式となっています。最後に、向かって左端、17世紀末に建設されたグリーンの外壁の末っ子は、他の2軒に比べ幅の狭い建物で、バロック様式の破風が特徴的です。現在、三人兄弟の家は、ラトビア建築博物館となっており見学することができます。

◇猫の家(写真左下)
「猫の家」は、その名の通り、屋根の上に黒猫の彫像が設置されていることで知られています。この建物は、1909年に商人によって建てられ、アール・ヌーヴォーの建築様式が見られます。特に、屋根の上にある2基の小塔には、黒猫を象った銅製の彫像がそれぞれ設けられており、いずれも背中をアーチ状に丸め、尻尾を上に立てています。この黒猫の彫像が、建物の名称「猫の家」の由来となっています。

◇スウェーデン門(Zviedru Varti)(写真右下)
旧市街の北側に位置する「スウェーデン門」は、その名の通りスウェーデン統治時代に造られた城門で、現在もその姿を留めています。1698年に建てられたこの門は、かつて城壁と塁壁の間にあった建物の一部を改築したもので、その名は門の向かいにあった兵舎にいたスウェーデン人が頻繁に利用していたことから名付けられました。
スウェーデン門は、その存在だけでなく、悲しい伝説でも知られています。その昔、リガの娘たちは外国人との恋愛が禁じられていましたが、ある娘がスウェーデンの兵士と恋に落ち、その恋が発覚したとき、彼女は城壁に埋められてしまったという伝説が残っています。そのため、スウェーデン門は「悲恋の門」とも呼ばれ、訪れる観光客にその物語を伝えています。

リガ大聖堂
リガ城
ブラックヘッドのギルド
ユーゲントシュッティールの建築群



  


目次へもどる

直線上に配置