サンタ・キアラ教会(Complesso Monumentale di Santa Chiara)
サンタキアラ教会(Basilica di Santa Chiara)は、14世紀に建てられたナポリで一番大きなゴシック様式の教会です。一度バロック様式に建て直されましたが、第二次世界大戦で破壊された後、ゴシック様式に復元されました。教会内部はとても質素。
サンタキアラ教会の見どころは、実は教会自体ではなく、敷地内にあるサンタキアラ修道院(Monastero di Santa Chiara)の中庭。
サンタ・キアラ修道院はロベルト1世が14世紀に創建した修道院コンプレックスで、サンタ・キアラ聖堂や聖具室、マイオリカートのクロイスター(クラリーセのクロイスター/サンタ・キアラのクロイスター)、フラティ・ミノリのクロイスター、図書館、オペラ・ディ・サンタ・キアラ博物館、図書館など数多くの施設からなる。1340年奉献の教会堂はバシリカ式(ローマ時代の集会所に起源を持つ長方形の様式)の単廊式(身廊のみで側廊を持たない様式)で、ステンドグラスが美しいゴシック様式のシンプルな教会堂となっている。隣接の鐘楼は1456年の地震で倒壊し、1604年にバロック様式で再建された。82.3×78.3mを誇るマイオリカートのクロイスターはバロックの画家ドメニコ・アントニオ・ヴァッカロの指揮によるもので、マヨルカ焼きで装飾された柱やベンチ、クロイスターの壁を覆い尽くすフレスコ画などで彩られた見事な芸術空間となっている。オペラ・ディ・サンタ・キアラ博物館は同地で発掘されたローマ時代の遺物から近世の宝物まで多彩な収蔵品を誇る。
サンタ・キアラ修道院では第2次世界大戦中の爆撃で地下の古代遺跡が明らかになり、ローマ時代の巨大なテルマエ(公衆浴場)跡が発見された。出土した遺物は院内の博物館に収められている。
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