サン・ロレンツォ・マッジョーレ聖堂(Basilica di San Lorenzo Maggiore)
紀元前5世紀から紀元18世紀までのナポリの歴史がギュッと凝縮した複合建築。地下にはギリシア・ローマ時代の遺跡、教会の創建は6世紀で1270~1275年に再建、ファサードは18世紀のもの……という具合だ。さらに博物館では周囲から発掘されたギリシア・ローマ時代の品々から18世紀の羊飼いのコレクションを展示。キオストロ右奥には15世紀の天井画が美しいシスト5世の間Sala
Sisto Ⅴが続く。
教会内部は複数の建築・美術様式が見られる。主祭壇には聖アントニオと聖ロレンツォの彫像が飾られ、「諸聖人の生涯」を描いたレリーフが目を引く。続く後陣にはフランスゴシック風に周歩廊が設けられている。左右に続く礼拝堂はバロック様式で、とりわけカラチェ礼拝堂Cappella
Caraceは17世紀のナポリ・バロック様式で華麗。サンタントニオ大礼拝堂Cappellone di S.Antonioには南イタリアで活躍したマティア・プレーティの絵が飾られている。地下にはクリプタ、さらにギリシア・ローマ時代から中世にかけての通路や広場など、ナポリで最も古い遺構が残っている。
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