ピオモンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会@ナポリ



ピオモンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会(Pio Monte della Misericordia)

 1602年に設立された慈善団体、ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディアは、貧困者や病人の救済などの慈善事業を行っていました。1606年に聖堂が建設されると、当時ローマを追放されナポリに逃亡中だったカラヴァッジョに、団体は主祭壇に絵を描くよう依頼します。描かれた本作はマタイ福音書に由来する「慈悲の七つのおこない」。
 各場面をひとつの場面の中に配するという極めて斬新な構図が取られている。各場面は複雑に交錯しながらも、カラヴァッジョの自然主義的写実性で描写された誇張されない事象は明確に表現されており、わずか数ヶ月の滞在中に、圧倒的な知性と創造力によって描かれた本作は、ナポリ派の画家たちの間で大きな反響を呼び、カラヴァッジョ派の画家が、この町から多く誕生することとなります。

<興味深いことに2階の部屋にある小窓から主祭壇にある「慈悲の7つの行い」が鑑賞できる(写真下)>

『慈悲の七つのおこない』は、右部の≪死者の埋葬≫と≪囚人の慰問、食物の施与≫、中央の≪衣服の施与≫、左部の≪病気の治癒≫、≪巡礼者の歓待≫、≪飲物の施与≫とで構成されています。


   

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