ジロラミーニ教会(Girolamini church)
教会は破壊された宮殿の跡地を利用して 1592 年に建設されました。その後何度か改装を繰り返したものの、3 つの礼拝堂と中央身廊を持つ、本来のフィレンツェ・ルネサンス様式はきちんと保たれてきました。併設された修道院には、美術館と大きな州立歴史図書館もあります。この教会の外観が一番映えるのはジロラミーニ広場からで、この広場に立つと、白亜の大理石がまぶしく、優雅な曲線美とあいまってすばらしいファサードが目に飛び込んできます。
教会のてっぺんに立つ聖ペテロ像と聖パウロ像は彫刻家ジュゼッペ・サンマルティーノの作。内部は大量のフレスコ画や彫刻で飾られ、祭壇にはレーニが描いたサン・ジョバンニ・バッティスタの肖像画がかかっていて見る者の心をつかみますが、
この複合建築の妙味は併設された修道院にあるという人が多いようです。シンプルに「画廊」(クァドレリア) と名づけられた美術館には、リベラやセルモネータら地元名士の作品が飾られ、オラトリオ会神父の図書館は広々としたホールの随所に凝った装飾が見られる中、一番心に残るのは最大のホール、サーラ
グランデです。 これらの施設の間に配置された中庭は、緑の木々に取り囲まれ、静謐に満ちた憩いの場所なので、市内観光を続ける前にここで休憩したりランチを取ったりするのもおすすめです。
写真下<バンクシーの壁画>
現存するイタリアで唯一の作品と言われる「聖母と拳銃(Madonna con pistola)」が教会広場右壁に描かれている。
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