聖ヤコブ教会は、ローテンブルクの町の中でも一番大きなプロテスタントの教会として、歴史にその名を残し、世界的にも有名なサンティアゴ・デ・コンポステラと呼ばれる巡礼ルート内の教会としても重要な役割を果たしています。
1311年から建築された聖ヤコブ教会は、1484年までの150年以上もの長い年月をかけて建築され、美しく見事なゴシック調の教会となりました。建物を挟むように南北に二つの塔が建てられていますが、一つを親方が、もう一方をその弟子が建築したために高さ、形共に異なっていて、どれほどの歳月をかけて建築されてきたのかが伺えます。
聖ヤコブ教会で最も有名な見所は、なんと言っても12使徒の祭壇と聖血の祭壇です。
12使徒の祭壇は1466年に奉献され、磔にされたキリストを守り、囲うようにヤコブ他6人の聖者の像が立ち並んでいます。開放的な高い天井と宗教画が細工された高さ17メートルのステンドガラスから降り注ぐ日の光を浴びた祭壇は、とても美しく荘厳です。
歴史的にも偉大なドイツ彫刻家、ティルマン・リーメンシュナイダーが手がけた最も価値のある作品とも謳われるのが、聖血の祭壇です。菩薩樹で作られた高さ10メートルもあるこの祭壇は、中央に最後の晩餐を立体的に形作られ、祭壇の扉左側にイエスのエルサレム入城、右側にオリーブ山でのイエスの祈りを表現した浮き彫りが施されています。12使徒の祭壇のような華やかさはないものの、生命の力強さが感じられる作品です。祭壇上部にはめ込まれたクリスタルの中には聖血が3滴納められていると伝えられているため、巡礼者からも重要な祭壇となっています。
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