ドレスデンの北西25㎞に位置するマイセンはエルベ渓谷の終点に位置する小都市。しかし世界中にその名が知れ渡っているのは、有名な高級陶磁器マイセン焼の故郷だからだ。17世紀の頃、ヨーロッパの王侯貴族の間では、日本の伊万里焼はじめ東洋の磁器が大ブームとなった。ザクセン選帝侯のアウグスト強王は熱狂的な陶磁器のコレクターで、1705年、ドイツの錬金術師ベトガーに命じて陶磁器の研究を始めさせた。4年後にベトガーは白磁の製法を発明したが、アウグスト強王はその秘密を守るため彼をアルブレヒト城に幽閉。ベトガーは37歳の若さで亡くなった。これがのちに世界的に知られるマイセン焼の始まりで、現在の場所に移転するまでの約150年間、アルブレヒト城内で作られていた。マイセンの旧市街は半径500mほどに集中し、高低差が大きく街の最上部にアルブレヒト城が位置する。
「◎国立マイセン磁器工場」(Porzellan-Manufaktur Meissen)
1710年にヨーロッパで最初の王立磁器工場としてアルブレヒト城内に誕生。以来、磁器の街として世界中にその名は知れ渡るようになり、150年後に現在の場所に移転した。マイセン磁器の本拠地であるこの巨大な建物の中には、1階に見学もできる磁器工房が。2、3階は18世紀以来のコレクション約3000点がずらりと並ぶ磁器博物館になっている。
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