所在地:豊田郡瀬戸田町瀬戸田 アクセス:JR三原駅から徒歩5分桟橋〜船 正式名称:向上寺三重塔 こうじょうじ さんじゅうのとう 国宝番号(指定日付):193号(昭和33年2月8日) 向上寺は応年七(1400)年地頭・生口守平公が瀬戸田潮音山の観音の霊場に一寺を建立し、臨済宗仏通寺派開山勅特賜仏徳大通禅師愚中周及大和尚(1323〜1409年)を迎えて開きました。聖観世音菩薩(秘仏)を本尊とし、古来、災害鎮圧と興隆繁栄の祈願寺として崇敬されました。 伽藍は明治6年に焼失、本堂は三原近在の寺院解体による古材で再建しましたが、その後、老朽破損・解体し、現在は仮本堂にて創建六百周年の復興を目指しています。 瀬戸田水道を見下ろす潮音山に建つ、 和様を基調とし唐様を取り入れた朱塗りのみごとな三間三重塔婆です。 1432年(永亨4年)に建てられ、 国宝の三重塔の中では最も新しいものです。 この塔の特徴は組物に入れられた 装飾彫刻です。 国宝 向上寺 三重ノ塔:尾垂木下の二手先目の肘木先端に 見事な彫刻が施され、その彫刻は、 植物の葉を抽象化した若葉という 図案になっています。色彩と、力強い刻線が あいまって強烈な印象を与えています。 また、各重に花頭窓を配し、四隅の親柱の 飾付けには珍しい逆蓮華(蓮の花を逆に かぶせた形)が見られます。 建立年が明らかで、唐様の手法が極めて濃厚で 、細部にも特色ある手法が多い点から、禅宗寺院の 塔婆として建築史上貴重なものです。(向上寺HPより) 私的満足度「★★」:三原から瀬戸田までの船は生活に密着した風情がありました。そして港から三重塔まで快晴の空の下を歩き、塔の後ろに出たときは感動ものでした(写真上)。きらきら光る海を背景にみる国宝三重塔という組み合わせは素晴らしいです。 |