エフェソス遺跡



比較的遅くまで王政が敷かれていた世界最大級の古代遺跡、大劇場や大理石通り、ハドリアヌスの神殿がよく知られている。トルコの世界遺産の一つであるエフェソスはエーゲ海を挟んでギリシャに面しているため、もともとはギリシャ人の殖民都市だったが、その後ローマのアジア州の首都になった。19世紀の末から発掘が進められているが、現時点では全体の10分の1しか発掘されておらず、全て発掘されるまで200年〜300年かかると言われている。

(写真上)セルシウス図書館:エフェソスの遺跡のほぼ真中に位置しているのがセルシウス図書館です。遺跡群の中で、最も当時に近い形で復元されている建造物になります。
エフェソスの執務官であったセルシウスの死後に、彼の息子が父親を偲んで建てさせたものです。高さ約11m、幅約17mの規模の図書館は、当時アレキサンドリア、ペルガモンと並ぶ世界三大図書館にも数えられていて、12万冊の蔵書を誇っていました。

(写真左下)トラヤヌスの泉:クレティア通りの北にあり、発掘の際に出土した碑文によると皇帝トラヤヌス(98〜117)に捧げる為、102〜114年に造られたものとされています。賛美の碑文は今日、泉の横にある大きな軒じゃばらの上に記されています。中央には貯水槽が設置され、三方は二層の支柱から成る〈壁〉で包囲されていて、支柱の間には彫像のある壁がんが造られています。この内、中央の壁がんにはかつて皇帝トラヤヌスの像が置かれていたと考えられています。

(写真右下)円形劇場:パナユルダゥの裾野を利用してリシマコスの時代に造られた大劇場は、その後何度かの改造がなされ、他の古代劇場の殆ど全てがそうであった様に〈聴衆席〉、〈半円形舞台〉、〈舞台〉の3部構成となっています。


   

目次へもどる

直線上に配置