アスペンドス(Aspendos)は、トルコ地中海地方のアンタルヤ(Antalya)から東へ約39qのセリク(Serik)という小さな町の近郊にある遺跡です。古代にはパンフィリアで最も重要な都市だったとされています。パンフィリアは、トルコの小アジア南部、リュキアとキリキアに挟まれ地中海からトロス山脈までの間の地方を示した古代の地名です。
特に、ほぼ当時の完ぺきな状態で保存されている古代劇場が有名で、現在でもオペラやバレエ公演の会場として利用されています。
アスペンドス遺跡には、世界で最大級のローマの古代劇場がほぼ完璧に近い状態で保存されています。この劇場は、2世紀にローマ皇帝マルクス・アウレリウスの命により、アスペンドス出身の建築家ゼノンが建造しました。
観客席は中央通路を隔てて上と下にわかれ、最上段には柱廊がしつらえられています。舞台の壁はイオニア様式とコリント様式双方を取り入れた柱で飾られています。舞台や楽屋も綺麗な状態で残っています。
観客席は直径95mの半円形で、15,000〜20,000人が収容可能でした。劇場の客席上部は並んだアーチ型の装飾が美しく、高い場所から舞台を見る光景は爽快です。また、音響効果が良いことも有名で、ステージを取り囲むような造りから素晴らしい音響効果を想像することができます。
|