スペインのアンダルシア地方、山間の町ロンダにあるのがロンダ闘牛場です。1785年ごろに建てられたこの闘牛場は、現在博物館としても公開され、内部を見学することが出来ます。スペインの代名詞ともいえる闘牛は突進してくる牛をムレータと呼ばれる赤い布を使って華麗に交わす闘牛士の姿が印象的ですが、このスタイルで牛と対決したのはロンダ出身の闘牛士、フランシスコ・ロメロ(1698-1793)でした。もともと貴族が楽しむスポーツだった闘牛は馬に乗り牛と対決するもので、現在みる闘牛とは違うものでした。貴族へ闘牛禁止令が出された後、庶民が関心を持ち始めた闘牛は単なるスポーツではなく、各地を練り歩いて披露する娯楽的要素が強まるものとなっていったのです。ロンダ闘牛場はそういった新しい闘牛の前線として活躍し、ロンダを語る上で外せない歴史ある場所となりました。現在は闘牛が日常的には行われていませんが、近代闘牛発祥の地として名を残した闘牛場に足を運ぼうと、世界中から観光客が訪れるスペインでも人気の場所です。 |