ブレッド城



ブレッド城(Bled Castle)

湖面から高さ130メートルの断崖にそびえ立つのが「ブレッド城」だ。
ブレッド湖を一望するこの城は、ブリクソン司教によって11世紀に建てられた。その後、16世紀初頭の大地震を機に改築が行われ、現在のようなロマネスク様式とゴシック様式を持つ外観となった。
この城は現在、歴史博物館として一般に公開されているが、城内の一角には昔ながらの活版印刷を再現した工房や、中世の香りが漂うワインショップなどがある。

<ブレッド湖の伝説>
昔々、ブレッド城に夫が殺され深い悲しみを背負ってしまった若い未亡人が住んでいた。彼女は持っていた金銀をすべて集め、夫への思いを託し鐘を鋳造した。ところが、完成した鐘を島へ運ぶ途中で激しい嵐に遭い、鐘は船と供に湖に沈んでしまった。絶望の底に叩き落とされたその未亡人は、身の回りのもの全てを売り払い、そのお金で島に教会を建て自らはローマの尼僧院に入った。
彼女の死後、その話に感動したローマ法王が、この教会のために新たな鐘を鋳造した。
ブレッド島の聖マリア教会にあるその鐘を、7回鳴らすと幸運が訪れるという言い伝えがあるが、その時に彼女に願い事を伝えると(特に恋愛に関する願い事は)成就するそうだ。そして、湖に沈んだ鐘は、今も湖底から悲しい音色を響かせているという。


   

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