三位一体の洗礼堂@ルブリン



三位一体の洗礼堂(Kaplica Trójcy Świętej)

この礼拝堂は、ヤギェウォ朝の初代国王であるヴワディスワフ2世(1348年〜1434年)の財政援助を受けて建設されました。フレスコ画が完成した日(1418年の聖ローレンスの日)は壁に刻まれています。
ヨーロッパ中にあるロシア・ビザンチン様式のフレスコ画を持つ建築物の中では最も保存状態が良いとされており、また、ロシア・ビザンチン様式とゴシック建築を組み合わせたデザインはなかなかユニーク。城の上階にあり、高い位置に取り付けられた窓から差す光で見る壁画は神秘的です。しかしポーランド分割時代は放置されていたこともあり、また最初の塗装から長い年月が経っていたため損傷が激しく、1899年から画家ユゼフ・スモリニスキによって本格的な修復作業が始まりました。その後も50年以上の年月をかけて修復されたものの、室内の気温や湿度の影響で失敗に終わった箇所も複数あります。

<追加コメント>
1569年にポーランドとリトアニアの歴史的統合の調印「ルブリン合同」が行われた洗礼堂だそうです。壁面を覆う600年前のフレスコ画は見事なものなのですが、ロシア占領中に正教の教えに反する部分は剥がされてしまったとガイドの説明がありました。


   
   

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