モロッコの世界遺産都市マラケシュからアトラス山脈を越え、やがてサハラ砂漠に至ろうかという小川のほとり、その丘の斜面に侵入者を拒むかのように佇む日干しレンガの要塞村が現れます。ここが数多くの映画のロケ地になった世界遺産の集落、アイット・ベン・ハドゥです。
この地はマラケシュとサハラ砂漠入口の町ワルザザートを結ぶ交通の要衝にあり、隊商都市として栄えたオアシス。アイット・ベン・ハドゥの集落は、17世紀に先住民のベルベル人によって築かれました。部族間の争いや盗賊の略奪などから守るため、四方に銃眼のある塔を備えた、カスバと呼ばれる堅固な建物を密集させて城壁とし、村全体が要塞になっています。
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