メキシコの首都であるメキシコシティとメキシコ湾を結ぶ交通の要衝にあり、標高2100メートルの高地に位置するプエブラは、1531年にスペインの宣教師によって築かれた町。 かつて宣教師の夢に天使が現れ、この地に町を造るよう告げたという伝説から、「天使の町」との異名を持つことで知られています。 既存の先住民都市を基盤とせず、スペイン人の都市として設立されたプエブラには、16世紀頃に建造されたスペイン植民地時代のコロニアル建築とキリスト今日文化が色濃く残っており、1987年に「プエブラ歴史地区」として、世界遺産に登録されました。 プエブラの建設と時を同じくして、16~17世紀に建立されたサント・ドミンゴ教会は、スペインの聖人である「聖ドミンゴ」を記念した教会です。 「聖ドミンゴ」とは、キリスト教のドミニコ会を創設したカトリックの修道士で、ロザリオを用いた聖母マリアへの祈祷(きとう)を体系化したことで知られている人物。 この「ロザリオの祈り」を聖母にささげるため、サント・ドミンゴ教会内にはきらびやかなバロック様式の「ロザリオ礼拝堂」がしつらえられました。 スペインの宣教師たちは、ロザリオを用いた分かりやすい祈り方と、豪華絢爛(けんらん)なキリスト教文化を見せることで、先住民へのキリスト教の普及を図ったのではないかと推察されています。 |