メキシコ プエブラ



メキシコ・シティから100kmほど東に位置するスペイン植民地時代に築かれた「プエブラの旧市街」と、その近郊の「チョルーラ遺跡」が世界遺産に登録されています。チョルーラにはスペインの征服軍によって破壊された、アステカ時代のテオティワカンに匹敵する大神殿の遺構があり、地下通路や出土品に当時の高度な技術が窺えます。

プエブラ(Puebla)はメキシコ・シティとメキシコ湾岸のベラクルスを結ぶ交通の要衝にあり、1532年にスペイン人のキリスト教宣教師によって建設されました。天使たちが修道士の夢に現われ、新しい町をつくるように告げたという伝説から、かつては「天使の町」と呼ばれ、碁盤目状に整然と区画された町にはシンボルの荘厳なカテドラルをはじめ、多くの教会が残っています。とりわけサント・ドミンゴ教会のロサリオ礼拝堂は、壁から柱、天井に至るまで精緻な金箔レリーフが施され、マリア像の黄金の冠にはあまたの宝石が散りばめられ、絢爛たる輝きを放ちます。また、青タイルに代表されるスペイン発祥の陶器、特産のタラベラ焼きが教会や家々の壁に使われ、ほかの植民都市には見られない景観をつくりだしています。なかでも、赤褐色の装飾タイルと白漆喰のカラフルな外観がまるでケーキのような「砂糖菓子の家」(写真右下)は必見です。


   

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