聖パウロ難船教会@ヴァレッタ



聖パウロ難船教会(Church of Saint Paul's Shipwreck)

西暦60年、マルタの海岸で難破した聖パウロを記念するために捧げられたこの教会は、マルタ国民の聖パウロに対する愛の証です。1639年に騎士団長や司祭、市民からの寄進で教会の建設が始まり、その約100年後の1740年に奉献されました。
主祭壇の右の小さなチャペルに、聖パウロが断首された時の台座半分が展示してあります。(残りの半分はローマのトレ・フォンタネにある聖パウロ殉教教会にあります。)1813年に疫病が蔓延した時に、この教会が市民に多くの援助の手を差し伸べたことへの感謝として、1818年に法王ピウス7世により寄贈されました。この台座の上部は銀でできた聖パウロの頭部が飾られています。
2月10日は、マルタでも重要な宗教的行事のひとつ「聖パウロ難破記念日」です。マルタの守護聖人の聖パウロが西暦60年頃、政治的反逆者として捕らわれローマへ護送される途中、船が難破しマルタ(セントポールズベイ)に漂着したと言われている日です。聖パウロの難破船がマルタに辿りついた時から、キリスト教(カトリック)がマルタに浸透した為、この日はとても意味深く大切な日とされています。
熱心なカトリック教徒が多いマルタでは、この日は国民の祝日です。特に首都ヴァレッタは、毎年大勢の人達で賑わいます。例年夕方(17~18時頃)より宗教的な行列行進(プロセッション)が行われ聖パウロ難破教会より聖パウロ像を担ぎ、楽団と共にヴァレッタの町を行進します。


   

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