1.シチリア料理
<A>ノルマ風パスタ〈Pasta alla Norma)
ベルカント・オペラの大作曲家ヴィンチェンツォ・ベッリーニの傑作オペラ《ノルマ》の名を冠したパスタ料理です。この料理が〈ノルマ風〉という名前になったのは、20世紀前半に活躍したカターニャ出身の劇作家ニーノ・マルトーリオという人が、この料理を食べて(もちろんシチリア方言で)、「こりゃあ、本物のノルマだ!」と叫んだことから来ているそうです。
<B>アーモンドソースのパスタ(pesto alla trapanese)
「トラパネーゼ」はシチリア地方のトラーパニという街の伝統料理です。トマト、バジル、アーモンド、ニンニクなどをミキサーでペースト状にし、パルメザンチーズを振りかける、というのが一般的な食べ方です。バジルをペースト状にすりつぶした「ジェノベーゼ」と似ていますが、ジェノベーゼに入れるのはアーモンドではなく松の実。また、ジェノベーゼにはトマトは入れません。トラパネーゼにはトマトの酸味が加わるので、ジェノベーゼに比べて爽やかな味わいが特徴です。
<C>「アランチーノ」(arancino)
ゴハンに具を詰めてカラリと揚げた「アランチーニ」。シチリアの郷土料理として知られるこのライスコロッケは、本場では呼び名が微妙に異なり、カターニャを拠点とする東岸では「アランチーノ(男性形)」、州都パレルモのある西岸では「アランチーナ(女性形)」と呼ばれます。
<D>パルミジャーナ・ディ・メランザーネ(茄子の重ね焼き)(Parmigiana di melanzane)
薄くスライスして揚げ焼きしたなすに、たっぷりのチーズとトマトソースを重ねて焼いたグラタンのような料理です。「パルミジャーナ」の名前から、パルミジャーノチーズの産地であるパルマ発祥かなと思いきや、これには異論も多いよう。シチリア語でペルシア語を意味する「パルミチャーナ(
parmiciana )」に関係があるとして、シチリア起源との説が強いそうです。
<E>カポナータ(野菜の煮込)(caponata)
「カポナータ」とは、シチリア島発祥の煮込み料理のこと。シチリアでは家庭料理としておなじみのカポナータですが、その地域に根づいた多くのアレンジレシピが存在します。 一番メジャーなのが、素揚げした夏野菜とオリーブにトマトソースを加えたシチリア北西部の「パレルモ風」。それ以外にもシシトウを加えてピリ辛風味に仕上げる「アグリジェント風」や、レーズンや松の実、アーモンドを加えるなど、アレンジは無限大!さらに、そのままいただくだけではなく、パスタのソースにしたり、パンにはさんでサンドイッチにするなど、工夫次第でさまざまな食べ方も楽しむこともできます。
<F>マグロのステーキ
地中海に蹴りだされた感じのシチリア島とサルデーニア島との間の海流には、5月ごろから、7月の頭まで、大マグロが産卵のためにやってくる。
生魚を食べる習慣がないイタリア人達は、ステーキにして食べている。塩を軽く振って炭火で表面をあぶり、中はレアーなマグロステーキに、レモン汁をきゅっとかけていただく、パレルモ風の食べ方も実にうまい!
<G>「フリットミスト ディ マーレ」(Fritto misto di mare)
フリットミストとは「揚物の盛り合わせ」、ディ マーレとは「海の」という意味の料理で揚げた魚介の盛り合わせです。カンパーニャ州ナポリより南側の沿岸部で盛んな魚介料理。本場に倣いセモリナ粉を使い軽くてサックリした食感に仕上げます。
<写真上>カンノーロ(cannolo)
カンノーロは、イタリア語で『小さな筒』という意味を持つ、イタリア・シチリア島生まれの郷土菓子です。小麦粉でできた生地を筒状にして油で揚げ、リコッタチーズのクリームをたっぷりと詰めたもの。イタリアでは昔から人気の伝統的なお菓子です。
実は1000年以上の歴史があると言われていて、もとは毎年2月ごろに開催される謝肉祭『カルネヴァーレ」を祝うためのスイーツだったそうです。今では季節を問わず、普段の朝食やおやつとしても食べられている定番スイーツになりました。
2.マルタ料理
<H>アルニータ(Qarnita) タコ料理
マルタでは、タコの煮込み料理が人気で、ニンニクで炒めたり、シチューとして食べるのが一般的です。タコソースのスパゲッティも人気です。タコを食べるなら、新鮮な魚が食べられる魚料理店がお勧めです。マルタで最も有名な漁村で市場もあるマルサクスロックは、とても人気があります。
<I>Rabbit(ラビット) ウサギ料理
マルタといえばウサギ肉。赤ワインとハーブで煮込んだ定番のラビットシチューは肉やわらかで食べやすい。マルタ人がうさぎ肉を食べる歴史は深く、約3600年前にフェニキア人によってうさぎが持ち込まれたことがきっかけとされています。当時マルタには野うさぎはいなかったのですが、スペインからの遠征の途中、マルタに立ち寄った際に、マルタで新鮮な肉を確保するために持ち込まれたとされています。
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