ペトラ遺跡は、ヨルダンにある遺跡。死海とアカバ湾の間にある渓谷にある。死海から約80km南に位置する。またペトラとは、ギリシャ語で崖を意味する。1985年12月6日、ユネスコの世界遺産(文化遺産)へ登録。2007年7月、新・世界七不思議に選出。
シーク 写真左下
ぺトラ遺跡の中心部へと導く峡谷(シーク)は、幅2m、長さ1.5kmあります。両側の絶壁は90〜180mの高さで、地質断層が見られます。
岩肌は日の当たる角度によって色が変わり、行きと帰りでは全く異なった雰囲気を見せてくれます。
現在は水が流れていませんが、両側の絶壁には運河の跡が見られ、シークが主要な交通路だったことが分かります。また、壁には祈祷用の碑や彫刻、霊石などが見られ、「シークには訪れる人を魂の内部に導く」という宗教的な意味もあったと考えられています。
エル・カズネ(宝物殿) 写真上
古代のペトラにおいては、アーロン山(Jabal Haroun, 英語: Aaron's Mountain)周辺に通じる行路を南から、ペトラの平野を横切るか、あるいは高地から北に進入していたとも考えられるが、現代の訪問者のほとんどは東より遺跡に入場する。荘重な東側の入口は、暗く狭いシーク(Siq, 英語: the shaft)と呼ばれる峡谷(所により幅わずか3-4m)を抜けて通じており、それは砂岩の岩盤の深い亀裂より形成された自然の地質特性であり、ワディ・ムーサ (Wadi Musa) に流れる水路の役目もある。狭い峡谷の終わる先に、砂岩の断崖に刻まれたペトラの最も精緻な遺跡であるエル・カズネ(一般に「宝物殿」として知られる)が建っている。エル・カズネは、1 世紀初頭に偉大なナバテア人の王の墳墓として造られたものとされ、切り立った岩の壁を削って造られた正面は、幅 30 m、高さ 43 mにおよぶ。
エド・ディル(修道院) 写真右下
エル・ハネズ(宝物殿)からさらに奥に伸びるファサードを進むと、ローマ円形劇場、墓地群、凱旋門などが現れます。凱旋門の周辺は、ローマ時代には街が形成されていて、王家の墓や神殿があったと考えられています。
ファザードの最終地点は山道へと続き、ここを登るとエド・ディル(修道院)に着きます。エド・ディルは標高1,000mに位置し、900段以上の階段を登り切ったところに現れる姿は圧巻です。
エル・ハネズ(宝物殿)に似た建築様式ですが、エル・ハネズより一回り大きく、高さ約45m、幅約50mあります。紀元前106年、ペトラがローマ帝国に併合された後、キリスト教の修道士が住んでいたことから修道院と呼ばれていますが、実際は神殿だったことが分かっています。
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