アマルフィ海岸



【世界遺産】アマルフィ海岸(Costiera Amalfitana)

アマルフィ海岸はソレントからサレルノに至るイタリア南部の海岸線。その昔、絶壁の入江に漂着した人々は狭い土地で潮風に強いレモンやオリーブを育て、イスラムの羅針盤をヨーロッパで初めて使い大海原へと雄飛。10〜11世紀にはベネチア、ジェノヴァと並ぶ海運共和国として繁栄を極め、中国の製紙技術もイタリアで最も早く伝わるなど、その栄光の歴史は、イスラム風のドゥオモなど古都アマルフィの随所に見られます。
歴史の隆盛とは対照的に、紺碧の海がきらめく海岸には、その美しさを象徴するような、いくつもの神話や伝説が残っていることでも知られます。アマルフィの街は、ギリシア神話の英雄ヘラクレスが、愛する妖精の亡骸を埋めた世界一美しいところと語り継がれています。また、ポジターノの名は、海の神ポセイドンがこの地を贈った愛する妖精、パジテアの名に由来するとも。
世界遺産に登録されたポジターノからヴィエートリ・スル・マーレ間は、断崖絶壁の急斜面から眼下に紺碧の海がきらめく「世界で最も美しい海岸線のひとつ」といわれる高級リゾート。一方で、険しい山上の空と海の間を歩くポジターノの「神々の道」、断崖の上に築かれ「海より空が近い街」といわれるラヴェッロなど、奇観ともいえる絶景が展開します。伝説が息づく蒼く澄んだ海は、今にも妖精が現れそうな、妖しい美しさを秘めています。


   

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