システィーナ礼拝堂(Cappella Sistina)
バチカン美術館とはバチカン宮殿内にある24の美術館の総称です。
なかでも有名なのは、ミケランジェロのフレスコ画があるシスティーナ礼拝堂。ルネサンスの至宝と称えられるこの天井画誕生の裏には、教皇と芸術家の相克ともいえる人間ドラマがありました。
教皇の座に就任したユリウス2世は、1505年、各地から芸術家を呼び寄せました。ミケランジェロもまた教皇の霊廟造営のため、フィレンツェから招かれたのです。壮大な廟の建設に心躍らせたミケランジェロは、1年近く山にこもり、大理石を切り出しますが、その石をローマへ運んだ彼を待っていたのは、教皇の心変わりでした。
気紛れな教皇は霊廟に興味を失い、システィーナ礼拝堂をより見栄えよくすることを優先し、ミケランジュロに天井画制作を命じたのです。彫刻家の彼にとっては、画家の務めをさせられるのは苦痛以外の何ものでもありませんでしたが、天井画を完成させました。
有名な『アダムの創造』もミケランジェロの作品で、システィーナ礼拝堂で見ることができます。左にいるのがアダムで、右にいるのが神となっています。アダムの指先と神の指先は触れ合ってはおらず、生命の与え手たる神がアダムに生命を吹き込もうとする、まさにその瞬間を描いた作品となっています。
<コメント>
ここも大混雑。体育館程度の広さの礼拝堂が駅のホーム並の人混みです。写真撮影禁止。礼拝堂内での声出し説明禁止のため、屋外設置のパネルを用いて見どころの説明を受けます。
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