ドゥオーモ (Duomo di Siena)
シエナ大聖堂(Duomo di Siena)は、イタリア・トスカーナ地方のシエナ中心部のカステルヴェッキオの丘の上にあるキリスト教カトリックの教会堂。世界遺産のシエナ歴史地区(旧市街)の中心的建築物。鐘塔からゴシック建築とみなされることが多いこの大聖堂は、全体の構成自体はロマネスク建築で、大聖堂、司教館、サン・ジョヴァンニ洗礼堂、ピッコロミーニ図書館、拡張工事部分(未完成のまま現在に至る)から成り、上空から見ると十字架の形になっている。建築としては、白と深緑色の大理石でデザインされたボーダーパターンの鐘塔に、ゴシック様式のファザードなど、一貫性にかけるという一般的な評価がありますが、西正面部分のファザードはイタリアで最も美しいと言われています。規模としては、縦の身廊部分が80メートル、横の翼廊部分が52メートル。
シエナ大聖堂は、内外ともに大理石象嵌張りで飾られ、平らに切られた東端部、六角形の交差部とドーム、堂内に組み込まれた鐘塔を特色としています。建築としては一貫性に欠ける教会堂ともいわれますが、内部の横縞模様はとても印象的で、特に西正面の、大理石とモザイクで装飾されたファサードはイタリア最美といわれる。
この大聖堂は、12世紀末から建築が着工され、200年以上もの歳月を経て、現在の形に作り上げられた。当時、覇権を争っていたフィレンツェが、1339年にサンタ・マリア・デル・フィオーレを完成させたことにさらに触発され、この大聖堂の拡大計画が浮上したにも関わらず、疫病や財政難などにより計画は中止され、現在でも、その未完成の拡張工事部分をみることができる。
大聖堂内はゴシック、ルネサンス、バロックなど様々な芸術作品で溢れており、例えば、ジョヴァンニ・ピサーノによる「八角形の説教壇」、ドゥッチョの「荘厳の聖母」(*現物はどちらも現在大聖堂付属美術館に所蔵されている)や、若きミケランジェロの作品なども置かれている。
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