サン・ヴィターレ聖堂 (Basilica di San Vitale)
サン・ヴィターレ聖堂は、ラヴェンナにある初期キリスト教建築を代表する聖堂です。殉教者聖ヴィターレに捧げられた聖堂で、6世紀前半に完成しますが、その後、ユスティニアヌス1世やベネディクト会によって改修されました。
聖堂内には、ビザンツ芸術を代表するモザイクが残されています。最も有名なモザイクが、後陣のものです。中心に全世界を表す球体にキリストが座り、左右には、キリストから殉教者の冠を受ける殉教者聖ウィタリス、聖堂の模型をキリストに捧げる司教エクレシウスが描かれています。5人の足元には花が咲き、川が流れ、頭上には虹の雲が描かれているため、楽園を表現しているといわれています。
また、壁面には、東ローマ皇帝ユスティニアヌスの肖像、そして皇帝を向かい合うように皇妃テオドラのモザイクがあります。皇帝ユスティニアヌスのモザイクには、サン・ヴィターレ聖堂の建設に出資した銀行家ユリアヌスが描かれていると言われていますが、現在それを証明するものはありません。
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