ピサの大聖堂



●ドォーモ (Piazza del Duomo)

11世紀にピサは自治都市として繁栄し、イスラム軍との「パレルモ沖海戦」において勝利を収めました。それを記念し、ピサの威容を示すために大聖堂を建てることにしたのです。
建設期間は2度に分かれており、1063〜1118年、1261〜1272年と実に長期間に及びました。建設には多くの芸術家と建築家が携わり、そのために多様な建築技術や装飾が用いられています。
ギリシア人のブスケットの設計により着工し、12世紀にはライナールドによってファサードが完成しました。大聖堂の周りには洗礼堂や鐘塔が建設され、これがドゥオモ広場を形成することになりました。
ピサ大聖堂の建築様式はロマネスク様式とされ、代表的な建築ではありますが、随所にローマ時代やビザンティン文化を反映しています。当時のトスカーナ地方の聖堂のモデル的な建築となりました。十字架形平面形の建物は、初期キリスト教会のバシリカ式で、5廊の身廊と3廊の側廊に対して、翼廊が直角に建てられています。交差部分にレンガと石でできた楕円形のドームがあります。
ファサードは色の異なる大理石のパネルで飾られており、大聖堂の外側の2階以上の部分には、白と黒の大理石で化粧張りが施されています。身廊の両脇には宗教画や彫像が連なり、円陣のモザイクとフレスコ画は実に見事です。中央祭壇上部のフレスコ画「玉座のキリスト」は圧巻です。


   
   


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