ラジョーネ宮(Palazzo della Ragione)
ラジョーネ宮の建築に関しては、1162年に着工され、1166年に現在の1階部分が完成し、使用されていました。そして1306-1309年、外部のバルコニーを覆う美しいポルティチ(柱廊下)を含む大々的な改装がフラ・ジョヴァンニ・デッリ・エリミターニにより、現存する形として完成。このポルティチは同建物の美しさの象徴でもあり、その価値を高める一因ともなっています。
内部は、アーチ型の天井が2種組み合わされた独特のドーム型。それは、一般的に言われる”船底をひっくり返した”ような形で、カラマツを素材に鉛板で覆われた造りとなっています。広間の大きさは80×27m、屋根の頂点までの高さは40mという巨大無柱空間。ただし、この部屋の正長方形ではなく、いびつな台形のような独特の形をしているのが興味深いところでもあります。
内部の壁は、フレスコ画に埋め尽くされており、圧巻です。上下2つに分割され、上部はさらに約330に分割、占星術をモチーフとしたものが描かれています。下部は72に分割され、政治を主題としています。ここにはジョットが描いた作品もあったとされていますが、14世紀の火災で現存はしていません。さらに18世紀には、暴風雨により、屋根がほぼ全壊滅となる被害なども受けています。この際の修復には、ヴェネツィアのサンマルコ広場の時計塔を設計したバルトロメオ・フェッラチーナがその作業の指揮をとっています。
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