サン・ペトロニオ聖堂



サン・ペトロニオ聖堂 (Basilica di San Petronio)

ヨーロッパで7番目に大きい教会とされる、ボローニャの守護聖人に捧げた大聖堂です。1388年に着手し、イタリア後期ゴシックの建築家アントニオ・ヴィンチェンツォによる作品で、1390年に建立されました。幅66mX奥行き132mX高さ51mと大きな大聖堂ですが、本来の設計図では幅は倍の137m、奥行きは50m長い183mの予定でした。1402年のアントニオ・ヴィンチェンツォの死後、大聖堂建設の反対派が上がり、大聖堂に使うはずの石材や木材などを売ってしまうなどして工事が中断されました。
1425年にはシエナ出身のヤコポ・デッラ・クエルチャがファザードの彫刻「聖母マリアと幼子キリスト」に取り掛かり、その死後また中止されるなど前途多難な大聖堂の建設となりました。1469年ごろには、祭壇の修復がされたのちは、予算が途切れ大聖堂の建設はこれ以上進むことはなく、この時期で終了とされています。
内部にはボローニャの有力な貴族ヴェンティボッリ家が装飾を施したマーギ礼拝堂があり、南側にはヴェンティボッリ家がキリストへの崇拝を示すため、エルサレムまでの旅の様子が描かれており、北側には「天国と地獄」が描かれています。

<コメント>この「天国と地獄」には人を貪り食う悪魔がおり、その右上にターバンを巻いた男が横たわっている。この人物がイスラム教の創始者マホメットだ。ということで2006年、あるイスラム教信者の怒りを買い、この聖堂を爆破するという予告がなされるという騒ぎとなった。未遂に終わったものの、それ以降この礼拝堂に関しては厳重なチェック態勢が敷かれている。訪問日当日も銃を携えた警官が入り口で入館チェックをしていた。


     

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