サンタ・マリア・デリ・アンジェリ聖堂(Basilica di Santa Maria degli Angeli)
「サンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会」。大きなドーム(クーポラ)をもつこの教会は、ファザード上部には金色に輝くマリア像もあり、まさに見上げるほど巨大で圧巻です。しかしこの教会の中に一歩入ると、とても面白い光景が目に飛び込んできます。クーポラの真下、教会の中央にぽつんと、6畳一間程度の小さなお堂が「鎮座」しているのです。ポルツィウンコラというこの小さな礼拝堂は、フランチェスコが布教を始めて間もない頃に譲り受けたとされていて、この古いお堂を保護するために、巨大なサンタ・マリア・デリ・アンジェリをまるで大切な宝石を守る貝のように建設したのです。
ポルツィウンコラ礼拝堂は今でこそ壁全面が豪華なフレスコ画で覆われていますが、建物自体はとても小さく質素です。フランチェスコが神の声をきき、財産を投げうって布教の拠点として譲り受けたのがこの質素なポルツィウンコラで、その当時はアッシジの町(現在の旧市街)から遠く離れ、何もない野原にぽつんとたたずむ礼拝堂だったといいます。
ポルツィウンコラ礼拝堂の裏にはもう一つ、トランジト礼拝堂(Cappella del Transito)も格納されています。このトランジト礼拝堂で1226年10月3日にフランチェスコが亡くなりました。礼拝堂内部にはフランチェスコの彫像があり、左右には初期の弟子たちがフレスコがで描かれています。彫像の足下には、フランチェスコが締めていた腰紐がガラスケースに納められています。
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