コーチ( Kochi)
南インド・ケララ州。この地へ足を運ぶなら見逃せないのがコチンの町。コチンならではの風物詩が旅人を魅了してやまないのです。まずカタカリダンス。これは派手な仮面のような化粧をして踊る見ごたえあるダンスショーです。化粧をしてダンサーが変身して行く様子も見られるのがまた楽しみです。教会やシナゴーク(ユダヤ教寺院)の存在も興味深いものですが、なんといっても面白いのが独特の漁法チャイニーズ・フィッシングネット。ダイナミックでユニークなその漁法にはびっくりするはず。ヤシの木々に囲まれた自然の中でカモやガチョウの群れがスイスイと泳ぐ姿はのどかで心地よいものです。
写真上:チャイニーズフィッシングネット
チャイニーズ・フィッシング・ネットは、南インドのケララ州、コーチン近郊でのみ見られる仕掛けで、その昔中国から伝わったということから「中国式の魚獲り網」というネーミングがつけられています。
丸太を何本も使って組み上げた大がかりな装置で、巨大な網を海中に沈め、魚の群れが通り過ぎるタイミングを見て引き揚げます。コーチンの海には魚が多く、最初は小さな魚しか獲れなくても、何度も繰り返すうちに大きなものも獲れるそうで、この漁は数百年もの間続いています。
(現在は観光用に実演(500ルピー)されているのみで実際の漁法としては使われてない模様)
写真下:カタカリダンス( Kathakali)
カタカリ・ダンスは、インド4大舞踊のひとつ。また世界3大化粧劇のひとつでもあります。「カタ」とは「物語」を、「カリ」とは「舞踊」を表しています。世界最古の演劇といわれているクリヤッタムやクリシュナッタム、そして、カラリパヤットという武術の要素が加わって、西暦1500年頃に成立したといわれています。発声はありますが、基本的には、いわゆるセリフというものはありません。物語や登場人物の心情などは、舞踊と目の動きを中心とした顔の表情、そして、手の指先のかたちで表現されるのです。
役者たちの化粧と衣装もたいへん色鮮やか。特に、カエルのような緑色に顔を塗られた人物は、一度みたら忘れられなくなるほどのインパクトを放ち、カタカリ・ダンスのシンボル的な存在となっています。
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