インド アンベール城



2018年3月20日(1回目)
2023年1月21日(2回目)写真差し替え

広大な砂漠地帯が広がるインド北西部のラジャスタン州。ここには8世紀からヒンドゥー教を信奉するラージプート族が住み、ペルシャ、トルコなど各国の文化を取り入れ独自の文化を築いていました。また、種々の民族が行き交う要衝であったため、丘陵地帯に強固な城砦を築き異民族の侵入に備えました。その時代に築かれたチッタウルガル、クンバルガー、ランタンボール、ガグロン、アンバー(アンベール)、ジャイサルメールの6つの城砦が2013年、「ラジャスタンの丘陵城砦群」として世界文化遺産に登録されました。

なかでも、ラージプート族のマハラジャが16世紀に築城したアンベール城は都市機能も備え、ジャイプルに遷都するまで150年間増改築が重ねられ、都として繁栄しました。丘の上に堅固な城壁に囲まれて建つ質実剛健な外観に比べ、城内はイスラム様式の影響を強く受けたラジャスタン特有の優美なスタイルで造られています。壁面に精緻な幾何学模様のモザイクが施され、世界で最も美しいと言われる、象頭の神ガネーシャが描かれたガネーシャ門をくぐると、左手に貴賓謁見のための勝利の間があり、その奥には天井や壁一面に小さな鏡を散りばめた鏡の間があります。マハラジャは、その1枚1枚に映る外の景色を楽しんでいたことでしょう。

アンベール城へは麓から急坂を歩いて登らなければなりませんが、名物の象のタクシーにゆられ城へと向かえば、かつて象に乗って登城したマハラジャの栄華を味わうことができるかもしれません。


 

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