オリンピア古代遺跡



オリンピア古代遺跡 (Olympia)
紀元前776年、あるいはそれ以前から393年まで1,000年以上にわたって開催された古代オリンピック=オリュンピア大祭。最高神ゼウスに捧げられたオリンピアのアルティス(聖域)はオリュンピア大祭の舞台であり、ギリシアの諸ポリスは戦争さえ停止してスポーツで覇を競った。現在のオリンピックはこの「エケケイリアの理念」を引き継いでこその平和の祭典なのである。

・ゼウス神殿(Temple of Olympian Zeus)
紀元前456年に完成した、エリスのリボンが造った長さ64m、幅28mの神殿。ドリス式の巨大な円柱が正面と後ろに6本、側面に13本建てられています。6世紀に起きた地震により、破壊されたままで、黒っぽい石灰石で作られているためか無残な姿に感じます。本尊として祀られていたのは巨匠ファディアス作のゼウス像です。金と象牙で作られた像は高さ13.5mあり、これを見るためにわざわざ2階に回廊が造られたほど。頭にはオリーブの冠、左手には鷲をあしらった王の杖、右掌には勝利の女神ニケの像があり、かつての繁栄ぶりを表していました。現在は焼失してありません。
職人の技は驚くほど精緻で、複雑な彫刻や装飾が施され、目には貴重な宝石が使われていた。この像は紀元前225年には、ビザンティウムの数学者フィロンやシドンの作家アンティパトロスなどにより、「世界の七不思議」の1つと呼ばれていた。(写真左中)。

・聖火の祭壇(ヘラ神殿 Remains of Temple of Hera)
紀元前600年頃に建造された最古のドリス式の神殿の一つ。初めはゼウスと共に祀られていました。柱はそれぞれの形や太さが違っており、破壊と再建を繰り返した様子を見ることができます。太くずんぐりしており、エジプトやオリエント建築を思わせる風貌です。オリンピックの聖火の採火を行う場所としても有名です(写真左下)。

・オリンピック・スタジアム(Olympic Stadium)(写真右下)
入口の通路だったアーケードの一部が残っています。紀元前4世紀ごろに作られ、トラックは幅が30m、長さは192mで、初期は北にあるクロニオンの丘の斜面が観客席となっていました。ローマ期には南にも観客席が造られ、最大20万人を収容していました。ここの南側にはアルフィオス川の反乱で倒壊した競馬場もありました。

・オリンピア博物館(Archaeological Museum of Olympia)
ギリシャを代表する博物館の一つ。神々と人間の父であるゼウス神の神域だったオリンピアの、先史時代から初期キリスト教時代までの歴史を紹介する。19世紀末に発掘された出土品の展示が中心で、中でも彫刻のコレクションが名高い。古代ギリシャ彫刻の傑作とされるゼウス神殿の破風の彫刻をはじめ、勝利の女神ニケの像など重要な展示物が多い。(写真右中はニケ像)。


   
   

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