1880年に完成した大聖堂はフランス式ゴシック様式のカトリック教会で、約632年の歳月をかけて建てられました。1164年にミラノから送られた東方三博士の聖遺骨を納めるのにふさわしい聖堂を建築したいと建てられ、ゴシック様式の建築物の中では世界最大級といわれています。ドームの高さはそんなには高くありませんが、大きく突き出た2本の塔には圧倒されます。
初代の大聖堂が作られたのは4世紀。最も古い聖堂として知られ正方形の建物でした。その後、建て替えがなされ、818年に完成しましたが、1248年4月30日の火災で焼失。大司教の命によって同年に現存する3代目の建設が始まりました。
1320年に内陣は完成しましたが、1559年からは、宗教革命による財政難により資金不足となり一時工事が中止されました。内陣が完成していたので献堂式が行われ、教会としての役目は果しています。建設中止後はストップと再建が何度も繰り返されました。
イギリスで再びゴシック建築の価値を見直そうとの動きが高まっている最中、フランスで大聖堂の建設経験のあるゲルハルトが1814年に設計した大聖堂の設計図が発見されました。ゴシック復活の波にのったことと、プロイセン政府からの援助もあり、1842年から工事が再開され無事完成しました。
大聖堂は第二次世界大戦時のケルン市に対する英米軍の空襲で14発の直撃弾を受けた。内部は激しく破壊されたものの全体は崩れなかったため、1956年まで復旧工事が行われ、元の状態に復元された。この際に周囲の廃墟から再利用した粗悪なレンガで復旧された部分が残っていたが、1990年代に入り空襲前の外観に戻す作業が始まっている。また、修復の一環として破損したステンドグラスの一部がゲルハルト・リヒターによる近代的なモザイク風の市松模様のものに置き換えられたが、これについてはいまだに賛否両論がある。
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