ライヒェナウ島はドイツ南部バーデン=ヴュルテンベルク州のボーデン湖(下部ボーデン湖のウンター湖)に浮かぶ島で、8世紀にベネディクト会の修道士によって開拓された。聖マリア・マルクス教会、聖ペトロ=パウロ教会、聖ゲオルク教会という3教会があり、カロリング朝(8~9世紀。カロリング・ルネサンス)、ザクセン朝(10~11世紀。オットー・ルネサンス)、ザーリアー朝(11~12世紀)といった中世ドイツ黄金期の文化を伝えている。
「◎聖ゲオルク教会」(St.Georg Reichenau)
聖ゲオルク教会は896年創建のシンプルな三廊式・バシリカ式教会堂で、東西にアプスがあり、東に鐘楼を有している。この教会堂を特徴付けているのは身廊壁面を埋め尽くす9~10世紀のオットー・ルネサンス期のフレスコ画で、嵐を鎮めたりラザロを生き返らせたりといったイエスが起こした奇跡の数々が描かれている。また、聖ミカエル礼拝堂や地下のクリプトなどにも見事な壁画が見られる。
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