美術館の名前「オランジュリー」とはオレンジの木を意味し、その名の通りこの建物は元々チュイルリー公園内のオレンジの木を保護する目的で、ナポレオン3世によって1852年に建てられました。第一次世界大戦後、オランジュリーはジョルジュ・クレマンソーの手によって美術館へと変身し、国に寄贈することが決定していたモネの睡蓮の連作のための特別展示室を作りました。
その後1927年、モネの死後数カ月後に美術館はオープンしました。
モネは19世紀末頃から、1つの部屋を『睡蓮』の巨大なキャンバスで埋めつくした「大装飾画」を制作する構想をもっていました。
しかし、白内障による視力の低下に悩まされました。一時は絵具の色を判別できないほどになったと言われています。同時期には息子の死などの不幸もあり、制作ができる状態ではありませんでした。
モネは絶望に陥っていました。その後、目の手術を行ったおかげもあり目は回復し、なんとか制作を再開しました。そして残りの人生はこの「大装飾画」に全てを捧げました。22枚のパネルで構成される8点の作品になっています。これらの作品の横の長さは、すべてつなげると91mという長さになるそうです。
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