フランス レ・ボー村



レ・ボー=ド=プロヴァンス(Les Baux-de-Provence)は、フランス南西部ブーシュ=デュ=ローヌ県の小さな町。アルピーユ山脈の中にある、壮大な景観を持つ岩だらけの土地であり、南方の平野を見渡せる古城を頂いている。プロヴァンス語の baou (岩だらけの尾根、の意)に由来する町の名前は、その景観からつけられたものである。なお、ボーキサイト (bauxite) は、この町の名前にちなんでいる。
 レ・ボー一帯は中世期に栄えた。ボーの領主は近隣の79の町村を支配下におさめ、プロヴァンスでその名が知られた。彼らは家紋にベツレヘムの星を用いていた。これは、彼らが東方の三博士の一人バルタザールの末裔を自称していたことによる(無論、史料的な裏付けのある話ではない)。この一族は最終的に15世紀に途絶えた。
 その後、ボーの城はプロテスタントの牙城として利用されたため、1632年にはリシュリューによって破壊された。
 この町は、1642年にモナコの領主グリマルディ家に譲り渡され、レ・ボー侯爵 (Marquis des Baux) の称号は現在でもモナコ大公家に受け継がれている。この称号は、伝統的に大公の一族が襲名することになっており、現在の称号の保持者はジャック公世子である(ただしこの称号は儀礼称号であり、レ・ボーは行政上は完全にフランスに属している)。
 1822年にはレ・ボー付近で地質学者ピエール・ベルチェによって、ボーキサイトが発見された。以降、この一帯で広く採掘されたが、20世紀末に完全に枯渇した。現在のフランスは、ボーキサイトの大半を西アフリカからの輸入に頼っている。



   

   


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