オンフルール(Honfleur)は、フランス、ノルマンディー地方の港町である。ノルマンディー地域圏、カルヴァドス県に属し、セーヌ川左岸の河口に位置する。
観光の町としても知られ、旧港の風景は印象派の絵画の題材ともなった。画家のウジェーヌ・ブーダンや、作曲家のエリック・サティの生地でもある。
街は、1027年のノルマンディー侯リシャール3世(en)の文書に最初に登場する。12世紀の中頃まで、街はルーアンからイングランドへ商品を運ぶための重要な中継地点であった。
安全な港と広い後背地を持つセーヌ川の三角州に位置するため、百年戦争の開始地点より、街は戦略上重要な場所としてその恩恵を受けた。シャルル5世によって、イングランドの攻撃からセーヌ川の三角州地帯を守るため、街の防御は強化された。これはアルフルール(英語版)の港によって後押しされた。しかし、1357年と1419年から1450年の間、イングランドの占領を受けた。フランス支配下時代、しばしば襲撃隊が、イギリスの海岸より略奪を行うために港から出帆した。
1608年以降、街はカナダ、アンティル諸島、アフリカの海岸、アゾレス諸島との貿易により、繁栄した。結果として、街はフランスの5大奴隷貿易港の1つとなった。この時期、街の急速な発展の結果、ジャン=バティスト・コルベールの命令で、街の要塞が壊されることとなった。
カルヴァドス (calvados) :フランスのノルマンディー地方で造られる、リンゴを原料とする蒸留酒である。なお、この地域以外で作られる同様の蒸留酒がカルヴァドスを名乗ることはできず、アップル・ブランデーと呼ばれ、区別される。
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