フランス アヴィニョン



フランス民謡で「橋の上で踊ろよ踊ろよ」と歌われたサン・ベネゼ橋(アヴィニョン橋)が架かるアヴィニョン(Avignon)はローヌ河畔に開け、ローマ帝国の属州の都市として発展。アラブ人支配の時代を経て、13世紀にアルビジョワ十字軍を率いたルイ8世に敗れるまで、フランス王国にも属さず独立を保っていた南仏プロヴァンス地方の小都市でした。
そのアヴィニョンに1309年、フランス王フィリップ4世が教皇クレメンス5世を移住させたことで、町は大きく変貌を遂げます。以降、1377年にグレゴリウス11世がローマに戻るまで、7代69年間にわたって教皇庁が置かれ、ここがキリスト教世界の中心となったのです。教皇の住まいである教皇宮殿をはじめ壮大な建造物が次々に建てられ、ルネサンスを彩る芸術家や学者たちがヨーロッパ中から集まり、芸術文化の一大中心地として繁栄を極めます。1995年に世界遺産に登録された歴史地区を歩けば、4基の塔を備えた高さ50mの外壁で囲まれ「世界で最も強固な住まい」と呼ばれた教皇宮殿や、12世紀に創建されたロマネスク様式のノートルダム・デ・ドン大聖堂が聳え立ち、キリスト教世界の首都であった当時が偲ばれます。


   

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