カイロにあるハーン・ハリーリ(Khan El Khalili)は、細い路地がまるで迷路のように入り組んでいる市場だ。 もともとはファーティマ朝のカリフ達を埋葬する土地だったそうだが、14世紀後半にそれらの遺構が取り除かれ、カイロ経済の中心となるべくして大規模な隊商たちの宿(キャラバンサライ)が造られた。それが現在のハーン・ハリーリ市場の前身となったのだという。 16世紀にはマムルーク朝のスルタン、ガウリーが市場のほぼすべての地区を改装したため、発足当時の痕跡はあまり残っていない。とはいえ、500年以上の歴史を積み重ねてきた佇まいはやはり重厚だ。
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