【世界遺産】古都トロギル(Trogir)
トロギールはスプリトの西、本土とチオヴォ島の間の海峡にある小さな島に乗っかったような古都。スプリトにディオクレティアヌス宮殿が築かれる600年前には既にこの地に町が築かれはじめていたとされていますが、それ以降2300年に渡って常に支配者がいる(時代によって変わる)、いわゆる植民都市として発展してきた歴史があります。
1123年に一旦町は完全に破壊されますが、13世紀までには完全に復興し、城壁と島という地理的な利点もあり、現在に至っても中世の頃のままの姿を留めています。
中心にある聖ロヴロ教会(Crkva sv. Lovre)は13世紀から完成に400年を要し、ロマネスク様式とゴシック様式が混在したクロアチアにおける教会の傑作と呼ばれるもの。鐘楼は上に登ることもできます。島の西の端にあるカメルレンゴ城(Kaštel
Kamerlengo)はヴェネツィア共和国統治下で造られた要塞で、トロギールの町と島、スプリトまで見渡すことができます。
トロギールは町全体がその歴史的・芸術的価値と保存状態の良さから、2000年に「古都トロギル」としてユネスコ世界遺産に登録されています。
→写真上は街の入口。
カメルレンゴの砦(Citadel Kamerlengo)→写真左上
島の北西部には、異彩を放つカメルレンゴ要塞があります。15世紀のベネチア統治時代に造られたこの砦は、トロギール旧市街地の建物群とは違って、外観がとてもシンプル。機能重視の建物であることがよくわかります。15世紀に以前からここに立っていたベルーガ塔を拡大する形で形成された要塞。カメルレンゴは当時の役人から名前をとったとされます。
聖ロヴロ大聖堂(Katedrala sv. Lovre)→写真下
スプリットの西25㎞のところにあり、起源はギリシャ時代まで遡る古都トロギール。その旧市街の中心広場イヴァナ・パヴラ広場にそびえる端正な鐘楼。3世紀に殉教した聖ロレンスにささげられたこの大聖堂は、トロギールで最も重要な観光スポットだ。初期キリスト教の教会があった場所に、13~15世紀にかけて建てられた。シンボルの鐘楼は17世紀初頭に現在の形になった。最も見応えがあるのが、入口に施されたロマネスクの彫刻。13世紀に活躍した彫刻家マスター・ラドヴァンによりつくられたもので、聖書の物語などが描かれており、その精緻な表現には目を見張る。
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