フィラデルフィア(Philadelphia )
フィラデルフィアはアメリカ合衆国、ペンシルヴァニア州の中心都市。1682年に、ウィリアム=ペンが、クェーカー教徒をひきいて入植地を開き、その中心地を彼らが理想とした「友愛」を意味するギリシア語からフィラデルフィアと命名した。phil
は「愛」を、adelphi は「兄弟」を意味するギリシア語。
フィラデルフィアは、アメリカンドリームが始まった場所、現代の民主主義が形作られた都市です。ユネスコ世界遺産に指定された独立記念館(Independence
Hall:写真下)や、自由の鐘(Liberty Bell:写真上)、米国憲法センター(National Constitution Center)といった、アメリカを象徴する名所の宝庫であるフィラデルフィアでは、国家誕生の片鱗を垣間見ることができる。
世界遺産:独立記念歴史公園
イギリスとの独立戦争のさなかの1776年7月4日、当時ペンシルベニア州の議事堂であったフィラデルフィアのこの建物に、植民地下の13州の代表者が集まり、トーマス・ジェファソンらが起草した独立宣言が採択されました。1787年にアメリカ合衆国憲法が制定されたのも、その後独立記念館と呼ばれる、ここ州議事堂でした。独立宣言はイギリスの専制に立ち向かい、独立戦争に勝利するためになされたもので、自由と平等の国家をつくるという歴史上初めての宣言は、やがて世界中の民主主義や人権思想の形成に大きな影響を与えることになりました。ここ独立記念館は、アメリカ国民にとってはもちろん、現代を生きる私たちにも特別な場所であるのです。人間の自由と平等を高らかに謳った宣言文が民衆の前で読み上げられたとき、鐘楼で打ち鳴らされたと伝わるリバティベル(自由の鐘)は、今は独立記念館の前にあるパビリオンに大切に保存され、アメリカ国民の自由のシンボルとして見物客が後を絶ちません。
アメリカの歴史で最も重要な独立宣言と合衆国憲法が採択された独立記念館の建物は、1979年に世界遺産に登録されました。周辺は独立国立歴史公園として整備され、フィラデルフィアが1790年から1800年まで首都であった当時の国会議事堂など、歴史的建造物や記念物が点在しており、トーマス・ジェファソンやジョージ・ワシントンらが活躍した、揺籃期のアメリカに思いを馳せることができます。
自由の鐘
アメリカ合衆国の自由の象徴として歴史的な意味をもつ鐘。ペンシルバニア州フィラデルフィアの独立記念館北隣,国立歴史公園内のリバティベル・センターに展示されている。1751年にイギリスで鋳造され,1752年8月アメリカに運ばれ,1753年6月にペンシルバニア州議事堂の鐘楼につるされた。重量は
943kg,下縁の周囲の長さは 3.7m,高さは約 1m。銘文として「全国土の全住民のために自由を要求する」というレビ記25章10節の引用が刻まれている。1776年7月4日アメリカ独立宣言が公布されたときに鳴らされた鐘として知られているが,実際は
7月8日に鳴らされた。1783年4月16日アメリカ独立戦争の講和が成立したことを告げる際にも鳴らされたので,「独立の鐘」としても知られている。
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