ヴィリニュス大聖堂



大聖堂(◎) (アルキカテドゥラ) Vilnius Cathedral

ヴィリニュス歴史地区・ゲディミナス城の麓に、ヴィリニュス大聖堂(聖スタニスラフ大聖堂)はあります。ヴィリニュス大聖堂は、13世紀半ばリトアニアを統一した王が、十字軍騎士団の圧力から逃れるため、キリスト教に改宗した際に建てた教会が起源となっています。
王の死後、ヴィリニュスにもともとあった自然崇拝の聖地に戻されますが、すぐにキリスト教化され再度教会が建てられます。その後、幾度も増改築がされ、15世紀にゴシック様式、16世紀にはルネサンス様式になり、17世紀バロック様式で再建されます。そして、18世紀後半に、現在見られる6本のドーリア式円柱をもつ新古典主義様式の姿となりました。
大聖堂最大の見どころが、17世紀バロック様式の聖カジミエル礼拝堂です。礼拝堂は、大理石と砂岩で造られており、リトアニアの守護聖人となったカジミエラス王子が安置されています。聖カジミエルの聖画には手が3つあり、3つ目の手は画家が何度消しても、その度に3つ目の手が再び現れたため残されていると伝えられています。側面にある絵画のひとつには、死後120年後に棺を開けた際に遺体に変化がなかったという聖カジミエルの奇跡が描かれています。
大聖堂の前には、高さ53mを誇る鐘塔があります。鐘塔の下層部分は、13世紀の城壁の一部で、ヴィリニュスで最も古い建造物の一つです。1520年代に、2つの八角形の上層部分を加えて鐘塔になりました。ヴィリニュス大聖堂(聖スタニスラフ大聖堂)は、リトアニアのシンボルでもあり、リトアニアの人々にとって精神的な支柱となっている場所です。


 

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