【世界遺産】ペーチ(ソピアネ)にある初期キリスト教墓地遺跡 「チェッラ・トリショーラ(三葉式礼拝堂)」は1922年と1955年の調査で発掘された礼拝堂で、クローバーの葉のような3葉のアプス(後陣)を東・西・北に持ち、開いた南には長方形のナルテックス(拝廊)が配されている。床はレンガの断片が混ざった石灰岩製で、壁は最大で高さ1.3mまで残されている。アプスの壁は4世紀に赤や黒で塗装され、11世紀に再塗装されたことがわかっている。 「チェッラ・セプティコーラ(七葉式礼拝堂)」は1938~39年に発掘された礼拝堂で、およそ22.5×17.5mとペーチの墓地遺跡で最大級の礼拝堂となっている。南と北に3葉ずつ、東に1葉、計7葉のアプスを持つユニークな平面プランで、西にナルテックスを有している。地下埋葬室は発見されておらず、もともと礼拝堂として築かれたようだ。4~5世紀の建設で、430年頃に建設が中止されたと見られている。 「初期キリスト教埋葬礼拝堂」はもともと4世紀に築かれた埋葬室で、390年頃にアプスや祭壇が整備されて礼拝堂として再建されたものと見られる。石棺などは見つかっていない。この礼拝堂の周囲には4世紀後半~5世紀初頭にかけて築かれた100以上の墓地遺跡が集中している。 |