ガーズィ・カスィム・パシャ・モスク」(Parish Church)
ハンガリー最大のオスマン建築
16 世紀に建てられた旧モスク。オスマン帝国時代の建物としてはハンガリーに現存する最大の建物で、現在は教区教会として利用されています。
現在はモスク教会と呼ばれ、イスラム教とカトリックの建築様式が融合した珍しい建物です。16 世紀にオスマン帝国はペーチの長期占領計画の一環として、公衆浴場、バザール、モスクなどを建造しました。この建物もその一例です。旧ガーズィ
カスィム パシャ モスクは、かつてこの広場に立っていた聖バートロミュー教会に使われていた石を使って建設されました。
モスクの緑色をした銅製のドーム型屋根には、イスラム教のシンボルである三日月とキリスト教の十字架という珍しい組み合わせがあしらわれています。ペーチがオスマン帝国の支配から解放されたのは
17 世紀後半のこと。モスクもカトリック教会へと生まれ変わりました。教会の北側には、20 世紀に入って増築された半円型の部分があります。モスクには建設当時のミナレットはありません。18
世紀に落雷のため一部損壊し、その後取り壊されてしまったためです。それ以外のモスクの外観は、トルコ人によって建設された当時の姿をほぼ留めています。
建物内はキリスト教信者のために改築されています。祭服室の隣にある聖水盤は、かつてはイスラム教の沐浴の場でした。地元の画家エルノーゲバウエルが描いたカトリックの絵画がトルコ風窓の周囲を飾っています。メッカに通じる南東側に、礼拝の方向を示す壁の窪みがあります。鍾乳飾りのアーチ形天井や南西の壁にかすかに残るコーランの
1 節なども見てみましょう。旧ガーズィ カスィム パシャ モスクはペーチの街の中心に近い有名なセーチェーニ広場にあります。
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